ゴミの持ち帰り
釣り場で最も基本的でありながら、破られると影響が大きいマナーがゴミの持ち帰りである。 空き缶やパッケージだけでなく、仕掛けの切れ端や生餌の残りまで、出したゴミはすべて自分で持ち帰るのが原則である。
何を持ち帰るのか
飲食ゴミ(空き缶・ペットボトル・弁当容器)はもちろん、仕掛けの切れ端やパッケージ、ラインの余りといった釣り関連の細かなゴミも対象になる。 使い切れなかった生餌・冷凍餌の残りも、その場に捨てず持ち帰る。 ゴミ箱が設置されていない釣り場が大半のため、あらかじめゴミ袋を持参しておきたい。 可能であれば、自分のゴミだけでなく現場に落ちている他人のゴミも一緒に持ち帰り、釣り場のクリーンアップに努めるとなおよい。
なぜ徹底する必要があるのか
ゴミの放置は景観を損なうだけでなく、悪臭や衛生面の問題も引き起こす。 心ない一部の釣り人によるゴミの放置や違法駐車が原因で、地域住民や施設管理者から釣り場の閉鎖を検討される事例が実際に発生しているという。 ゴミ問題は、仕掛け・ラインの後始末で扱う仕掛け・ラインの後始末と並び、釣り場が「釣り禁止」になる最大の要因の一つとされる。
海や漁港への投棄は法律違反になり得る
「マナーの問題」として語られることが多いゴミの放置だが、海や漁港にゴミを捨てる行為は、内容によって複数の法令に抵触するおそれがある。 「その場に置いていく」「海に流す」のどちらも、法律上は廃棄物の投棄として扱われる可能性がある点を知っておきたい。
法律は改正されることがあるため、最新の内容はe-Gov法令検索などの一次情報で確認すること。
執筆時点で確認できた主な情報は以下のとおりである。
- 廃棄物処理法(廃棄物の処理及び清掃に関する法律)
- 第16条で「何人も、みだりに廃棄物を捨ててはならない」と定めており、陸上・海域を問わず適用される。
- 違反した場合は5年以下の拘禁刑もしくは1,000万円以下の罰金、またはその両方が科され得る(第25条第1項第14号)。
- 未遂も処罰対象とされている(同条第2項)。
- 海洋汚染防止法(海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律)
- 第10条で「何人も、海域において、船舶から廃棄物を排出してはならない」と定めている。
- 船釣りで吸い殻や餌の袋を海に投げ捨てる行為はこれに当たり得る。
- 違反した場合は1,000万円以下の罰金が科され得る(第55条第4号)。
- 漁港漁場整備法(漁港及び漁場の整備等に関する法律)
- 第39条第1項で、漁港の区域内で汚物を放棄するには漁港管理者の許可が必要とされている。
- 同条第5項で、漁港管理者が指定した物件をみだりに捨てたり放置したりすることも禁じられている。
- 違反した場合は50万円以下または30万円以下の罰金が科され得る(第71条・第72条)。
- 軽犯罪法
- 第1条第27号で「公共の利益に反してみだりにごみ、鳥獣の死体その他の汚物又は廃物を棄てた者」は拘留または科料に処するとされている。
- 自治体のポイ捨て禁止条例
- 多くの自治体が独自にポイ捨てを禁じる条例を定めており、地域によっては過料などの定めがある(要確認: 内容は自治体ごとに異なる)。
つまり、釣り場に残した空き缶や餌の袋は、廃棄物処理法上の「みだりに捨てた廃棄物」に該当する可能性があり、船から海に投げ捨てれば海洋汚染防止法の対象にもなり得る。 実際にその場で摘発されるかどうかにかかわらず、ゴミの放置が「違法行為になり得る」という認識を持っておくことが、マナーを守る動機づけにもなる。 釣りに関わる法律の全体像は釣りに関わる法律の基礎知識を参照してほしい。
重要: 法律は改正されることがあり、本記事は執筆時点(2026-08-25)で確認できた情報をまとめた基礎知識にすぎない。本記事の内容を鵜呑みにせず、実際に釣行する前に必ずe-Gov法令検索・水産庁・環境省・都道府県の公式サイトなど一次情報で最新の内容を自分で確認すること。本記事は法的助言を目的としたものではない。
積み重ねが釣り場を失わせる
法律上の問題とは別に、ゴミの放置が積み重なることで釣り場自体が閉鎖・立入禁止になるリスクがある。 漁港など漁業関係者の作業場所を兼ねる釣り場では、ゴミの放置がトラブルの原因として特に問題視される。
関連用語
出典
- 釣りのルール・マナーについてのお願い - 公益財団法人日本釣振興会(確認日: 2026-08-25)
- 釣り場のマナー:ゴミの処理について|釣りあそびジャーナル(確認日: 2026-08-25)
- 廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和四十五年法律第百三十七号)|e-Gov法令検索(第16条・第25条、確認日: 2026-09-16)
- 海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律(昭和四十五年法律第百三十六号)|e-Gov法令検索(第10条・第55条、確認日: 2026-09-16)
- 漁港及び漁場の整備等に関する法律(昭和二十五年法律第百三十七号)|e-Gov法令検索(第39条・第71条・第72条、確認日: 2026-09-16)
- 軽犯罪法(昭和二十三年法律第三十九号)|e-Gov法令検索(第1条第27号、確認日: 2026-09-16)
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